癌と共に~フーテンのパパちゃん~

大好きな父が癌になりました。クジラを見に行く日を夢見て🌈

胃がんからの旅立ち~香典返しへの催促~

大変な時こそ人の気持ちがわかる

 

一生付き合える人

今世も来世もご遠慮したい人

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 ~逝去後 2週間~

 

パパちゃんを家族葬で見送った私たち。

コロナのこともあり親しい人にも参列はご遠慮いただいていたが、中にはご香典を送ってくださる方もいた。

嬉しいのは皆さんお手紙をつけてくださっていること。

 

私の一番古い親友は、幼い頃のパパちゃんとの想い出を書き綴ってくれていた。

その親友のお母さんからも、励ましのお手紙を頂いた。

長女と仕事が以前一緒だった方からも、心温まるお手紙がついていた。

 

それぞれにお礼を兼ねてお電話を入れさせてもらった。

 

辛いときに人の気持ちに寄り添ってくれる、素晴らしい人たち。

もう皆さんとは、長年会っていない。

パパちゃんに至ってはなおさらだ。

でも私たちの側にはいつもパパちゃんがいた。

なので三姉妹+パパちゃんで覚えていてくださる方達もたくさんいた。

 

そして結びにお返しはいらないからね、とさりげなく気を使ってくれる人達。

頭が下がる思いと、私もこうありたいと強く思った。

 

またパパちゃん側の親族からも、お返しはいらないからねと声をかけて頂いた。

遠方の親族などからも『送ってくるなら住所は教えない』とまで言われた。

その気持ちが、有難かった。

 

本来ならばそれでも送るのだろうが、私たちの親族に限り今回は甘えることにした。

それでも陰で文句を言う人がいないくらい、私たちは親族に恵まれていた。

それどころか、みんな私たち姉妹を本気で心配してくれていた。

 

 

その一方で

『お返しは用意してるのかと心配している』と主人から。

もちろん義親から探りが入った模様。

「大丈夫、全員分選んであるから」

すると信じられないことを言われた。

『あのさ、うち(義親)へのお返し、商品券がいいって言ってんだけど』

 


・・・はい( ゚Д゚)???

 

商品券?ギフト券?金券ってこと???

 

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どうも信じられなくて姉たちへ話すと

『お金で返してってある意味すごいね!斬新だよw

と呆れるを通り越して笑っていた。

 

いやそれホント。その発想はなかったよ。

 

「悪いけど、もう頼んであるから。」

そういうと主人も『あ、頼んであるならいいよ。心配してたからさ』

アンタも大概だよ(-"-)

 

それでも、もしかしたら私が知らないだけかもと、一応申し込みの際に葬儀社のスタッフに確認を入れた。

『えぇ⁉いや、香典のお返しで商品券はナイと思いますが・・・一度だけ遠方にお住まいのお孫さんへの返礼で、まだお若いのでとクオカードをご準備されたことはありますが。ダメとは言いませんが年配の方にはお叱りを受けるのでいかがかと・・・』

「いや、年配の方です・・・」

『あら、あら、それは・・・・』

お互い苦笑いをしながら

「ナシで」

 

せっかく選んだ昆布にも物言いがつきそうだなと憂鬱になりながら

四十九日忌の返礼品の注文内容と、その際に付ける熨斗の名前は喪主である私の名前にし、あわせて礼状の文面も一緒に確認し、2日前にうちへ郵送してもらうことでひとまず安心した。

 

道のりは、まだまだ長い。

  

胃がんからの旅立ち~香典返しの準備~

気持ちにお返しを

 

せっかくならば

喜んでくれるものをと

あれこれ思いを巡らす

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~逝去後10日~

初七日も無事に終え、次に来るのは四十九日忌。

仕事関係、縁故関係などご香典を多く包んで頂いた方へ返礼品を用意しなくてはいけない。

葬儀会社から返礼品のパンフレットをもらう。

またはどこで聞きつけたのか、違う葬儀会社からご案内がくることもある。

他にもネットでも取り扱いが豊富。

カタログもあるが、金額ごとにいろんなジャンルから選べるのでとても便利だ。

 

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だがいまさら他所へは面倒なのと、依頼や追加変更の際、また包装が統一されていることなどから、そのまま葬儀社へ依頼することにした。

そして葬儀社からの手配の場合は、割引になることが多い。

 

事前に芳名帳は整理して、ご香典を頂いた方と金額は確認していた。

(記憶が混在するので出来れば葬儀後すぐがベストかと)

 

仏事のお返しは基本頂いた額の半額~1/3程度が目安。なくなるもの、消耗品が良いとされている。

お茶やコーヒー、お菓子類や乾物などの食べ物や《悲しみを拭う》という意味合いからもタオルなどが好まれるようだ。

姉たちとも相談し、あまりあれこれと品を分けると分からなくなるので、主人の親族関係は無難にお茶をメインに選んだ。

 

あと友人等近しい人たちには、個包装の紀州南高梅に。

美味しいけど自分ではなかなか買わないですもんね。

 

主人の親族関係にも半額以上で用意した。

後々『あそこからは何々をもらった』等、情報共有されるのが常なので。

⤴これは斎場の担当者からも言われました。

年配の方、特に地方にお住まいの方は、葬儀の内容は忘れてもお返しの内容は覚えていて後々まで言われることが多いと。

迷ったら少々お高くても良いものを返しておいた方が安心できますよ、と。

 

お返しがダブる義実家。

義兄には他の親族と同じ煎茶の詰め合わせにしたが、さて義親にはどうしたものか。

持病があり食べ物のは気を使う。考えた末、北海道産の昆布にした。

御出汁って良いものは結構高い。でもやはり美味しいものは嬉しい。

食事の制限にも問題ないし木箱に入ってて見た目も良い。

 

これでも気を使っているのだが。

 

後日、義親からまたもや信じられないことを言われる。

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胃がんからの旅立ち~四十九日までの道のり~

初七日の次は四十九日忌

法要はすぐにやってくる

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七日目に三途の川に到着した故人は

それから七日ごとにいろんなお釈迦様から勉強と試験と面接を受け

そして最後四十九日目に審判が下る。

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こんなナイスガイなお釈迦様おらんて

 

 

その間魂はこの世とあの世の境をさまよってるそうな

 

そんでもって故人があの世で試練をクリアできるように

地上部隊(ご遺族)は七日ごとにお坊様にお経をあげてもらって応援する、というのが一般的。

 

私はお嫁に来てから本家の祖母の葬儀にフル参加したことがある。

仮通夜、本通夜、葬儀、精進揚げ、初七日忌法要、ひと七日法要、ふた七日法要・・(これが✖7回続く)、四十九日忌法要、一周忌法要。

その際にお願いした地元でも大きなお寺のお坊様。

しゃなり、しゃなりとご立派なのだが、法要の度に話す説法がなんとも意味不明。

七日ごとに法事があるのでだんだんネタ切れしてきて、最後の方は何やら書いてあるプリントを渡してくるわ、最後の日は()書きのテスト問題になっていた。

そして法事の度の飲酒がひどい。一応お坊様の分のお膳も用意してあるのだけれど、四十九日忌の時は酔った挙句故人用にお供えしているお膳を「じゃま」といって横にどけていたのには親戚一同ドン引きした。

さすがに一周忌では会食の席に呼ばなかったのだが、行く気満々だったお坊様は『バチあたりめ』と言い残していった。

 

私が故人なら浮かばれない

 

でもでも中には良いお坊様もたくさんいらっしゃる。

普段から檀家を大切にしていたり、生前から懇意にしてくださっている方などは別だろう。

今は地域のボランティア活動や、このコロナ禍の中地元の飲食店のために奮闘しておられる方もいる。

 

だけれど、高名なお坊様にたくさんお布施を包んだら成仏OK!ていうのはいかがなものだろう

 

葬儀の際の読経もお布施のランクによって違うというのも疑問。

 

そして葬儀の時に頂く白木の位牌。

生前のお名前(俗名ともいう)から、成仏するためには戒名が必要と言われる。

四十九日忌へのタイミングで本位牌まで作成しなくてはいけない。

ソース画像を表示

この《戒名》さえも

通常の2文字+道号位号など、お寺とのつながりや社会的地位で組み合わせてるが、お布施の額によって文字数や位号のランクが変わってくるのはオカシイ。

 

どうしてもというならば、今は《生前戒名》というのもある。

minnshu.com

こちらの方がまだ納得できるし、本来の道義にかなっているように思える。

 

区切りも儀礼も大事だと思う。

そしてお坊様も勉強し修行も積んでいるでしょうが、もちろん生活だって懸かってる。

でも故人を敬い、成仏を願う、それならば

金額に違いがあってはいけないんじゃないの???

 

 

親が愛情を、願いを、想いを込めてつけてくれた名前

私はそれを大切に胸を張ってあの世まで持っていく。

 

胃がんからの旅立ち~初七日、早っ。~

産まれて七日目は【お七夜

亡くなって七日目は【初七日】

 

ラッキーセブン、なのか(;・∀・)

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~逝去後7日目~

あっという間にもう一週間。

祭壇のお花も、まだきれいに咲いている。

 

法要は11時からだが、姉たちは早めに到着。

長女がケンタッキーを、サンドイッチは次女が色んな種類をそれぞれ買ってきてくれた。

 

そして寿司屋にお願いしていた折詰(義父母用)も間に合った。

 

そうこうしている間に義父母もやってきた。

予想はしていたがやはり床に座るのは嫌だという。

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『足が痛いから』

他所ではちゃんと正座してるけどねぇ⁉

 

 

パパちゃんより目線が下がるのがイヤなんだろな。

まぁまぁそんなこったろうと思っていたのでイスをすぐに用意した。

 

時間になったので、『それでは始めます』と言ってパパちゃんのお部屋にみんな座ってもらう。隣に続くリビングに義母とイスに座った義父

 

読経、スタート🎵

焼香用の香炉も事前に手配OK。抜かりはない。

読経しながら私、姉たちと順々に廻してもらう。

 

ひとしきり廻ったところで終了。

15分。チーン。鬼早w

 

密はいかんからね。

 

それから初七日のお礼と挨拶をしたのだが

 

瞬間、目が合った義父母。

あんなに冷たい目をする人を私は見たことがない。

見下げるような、情のかけらもないような表情。

 

葬儀の時のことを根に持ってるのと

仏事を高名な僧侶にお願いせず私たちでしていることへの軽蔑なのか

 

なんにせよ

私が嫁に来て初めてみた義父母の本当の顔だった

 

おうおう

そっちがその気なら構わんよ

 

わざとニッコリ♥笑って深々と頭を下げた。

 

 

それから『お茶を一杯くれ』と言うのでお茶を出す。

姉たちも普段なら話しかけたりするのだが、ほぼほぼ知らん顔。

いつもは口もきかない主人が会話をするも続かず。

仕方なく孫たちへ話しかけるが、子どもたちも塩対応。

 

頃合いを見計らって、折り詰めを渡した。

「コロナのこともあるからお持ち帰りにしました、どうぞ」

『あらあら、いいのに。・・・で、これどこの?』

もう苦笑するしかない。

「お寿司屋さんのです。揚げ物でなく煮魚にしてるからお義父さんも食べられます」

そう言って渡すと『ふーん』

そしてなぜか主人が付き添って帰って行った。

まぁ外でなんか言ってんだろな。

 

とりあえず帰らせると一同から笑顔。

私も着替えて(喪主なんで一応喪服)みんなでご飯タイム。

 

ケンタもサンドイッチも美味しかった!

これでピザとケーキがあれば間違いなく

初七日ではなくクリスマスパーティーだ(笑)

 

ただ息子たちの食欲があまりに旺盛で💦

次回はお弁当を頼もうということになった(;'∀')

 

 

パパちゃんのいないお正月

ようこそ2021

 

みんなが幸せでありますように

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普段は激務の中迎えるお正月も今年はのんびりと。

 

喪中はがきも早々と送り

寒波がくるというので年末の大掃除も一人で済ませてしまった。

 

最後にお仏壇にワックスをかけながら

去年まではパパちゃんがしてたんだなぁとしみじみ思い返していた。

 

 

 

毎年なぜか大晦日の晩に義兄が飲みに来るのが恒例化していて、落ち着かない夜だったのだが。

一昨年の大晦日は主人が夜勤、子どもたちは次女の家にお泊りだったので、パパちゃんと二人のんびりと過ごせた。

 

ギリギリまで仕事だったのでご飯も作れず、鰻のお弁当を買ったっけ。

私はビールと馬刺しとサラダ。

二人でご飯を食べて、紅白を見た。

『こりゃ誰かい。いっちょんわからんw』

中国でのコロナのニュースを見ながら

『こわいねぇ・・・日本にもくるのかなぁ』なんて話して。

そしてジャニーズを見ながらカウントダウンをした。

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『今年もよろしくな』

そう言って笑っていたパパちゃん

 

年末ギリギリまで心臓の方も不調で入院していたのを理由に

初めて義実家への新年参りをやめたので、心からホッとしていた。

 

初めて元旦から次女の家に行き、みんなでお正月のお祝いしたね。

ずっと行きたがっていた新年の参賀もみんなで行けたね。

 

パパちゃんにとっては例年にない『いいお正月』に

なぜだろう

私はとても不安な気持ちがしていた

 

 

 

みんなで過ごせた、最後のお正月

 

 

 

次女の家で出てくるカニを美味しそうに食べていたパパちゃん

 

 

今年も、カニ鍋にしたよ

 

次男がお盆に乗せて、持っていく。

「漬物、つけもの、忘れたらいかん」そう言ってたくわんを付け足してw

 

『なんだ、これは!カニじゃないかぁ♬』

嬉しそうなパパちゃんの声が聞こえてきた

 

 

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胃がんからの旅立ち~GOTO 三途の川~

今頃はどこを歩いているのだろう
 
また寄り道してるんじゃないだろうか 

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~葬儀後 皐月~
次女だけが家が近いこともあり、ちょいちょい来てくれるのが嬉しかった。
パパちゃんに挨拶をしてお線香をあげ、他愛もない話をする。
その中で次の法要【初七日】の打ち合わせをした。
 
逝去した日から起算して7日目に行われる法要のことで
今は葬儀と一緒にするところもあるようだ。
だが姉たちと集まりたいことと、お経だけならば私たちでも出来るため
姉たちの休みの取りやすい日に合わせすることにした。
 
人は亡くなってから7日かけて三途の川にたどり着くのだとか。
まぁ道には詳しいパパちゃんのことだ。ナビなどなくても大丈夫だろう。
そして生きていた間の《業》によって、三途の川を渡る深さが違う。
生前の行いが良いものは浅瀬を、業の深い人は濁流の中を行くことになる。
ところが渡し舟があった場合は、《六文銭》(納棺の時に持たせるお金)があると船に乗れるのだとか。
なんてこったい・・・それじゃああの世もカネ次第ってことなのかΣ(゚Д゚)
 
以前母を見送った後に渡し舟の話を聞き、姉たちと『しまった、六文銭を持たせていない💦』という話になった。
『ヤバい、怒られる(;´・ω・)』と言いながらも母のことだ。
『船頭が鬼でも脅すか値切るかしてどうにか渡るだろう』という結論に至った。
 
そういう人なのだ。母は。
 
『私は正しい』という強い精神力の人。
どうして、鬼滅の無残様などカワイイレベルだ。
『私の言うことは絶対である』『私が”正しい”と言ったことが”正しい”のだ』 byパワハラ会議より
あ、母マジでこんな感じでした(笑)
 
それでも、ぶつくさ文句言いながらも父を待っているだろうね、と話した。
なんだかんだ言って面倒見はいい人なのだ。
 
そんなこんなを考えながら打ち合わせを進め、10時集合、11時から読経ということで。
呼んでもなくても義親は来る気満々なんだろなー。
さすがに私の読経に文句は付けないだろうけども。
みんなと同じ家族気分で居座られる可能性大なので、その後お昼を持たせて解散の設定にすることにした。
仕方ないのでお寿司の折り詰めを二人分。義父が持病があり肉を避けているので。
ちゃんと気を使ってるんだぞ―
 
そしてうちもお弁当取る?という話になり次女から『何人分だっけ』と聞かれ
『えっと、5人分』と無意識にパパちゃんの分もカウントしていた。
『あ、違う、違う。4人分』と言い直したが言いようのない悲しさがこみ上げてきた。
 
こういう時が辛かった。
 
お風呂が入って呼びに行こうとするとき
洗濯物を干しているとき
パパちゃんの好きなものを見つけた時
 
ふとした時に『居ない』と感じるなんでもない日常の瞬間が
たまらなく悲しかった
 
次女が泣き出した私を抱きしめて、よしよしとしてくれる。
受け止めてくれる人がいるのは本当に有難かった。
 
私を気遣ってか、お弁当の話題はなくなったが
『庭でバーベキュ―にする?』という私の案は次男に即却下され
当日はサンドイッチとケンタッキーを姉たちが買いだしてくる案に決定した。
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いいの?俺で💦

胃がんからの旅立ち~虚無と目覚め~

眠ることは意外にエネルギーを使う

 

赤ちゃんは寝てばかりだが

お年寄りは眠れない

 

こんなに眠ったのはいつぶりだろう

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~逝去後 皐月~
私はずっとパパちゃんが居た和室にこもっていた。
 
いつもはリビングで大音量でビデオを見る主人も
2階にいることがほとんどだったので助かった。
 
静かな時間
 
 
来客が来た時以外はひたすら眠って過ごした。
それはもう一日中
 
普段はお昼寝してしまうと、夜眠れない(-_-;)
 
なので自分でもびっくりするほど
泥沼のように日々を眠って過ごした。
 
 
考えたらここ数か月まともに眠っていなかった気がする。
 
 
張り詰めたものが切れた反動と
体力の限界
そして何も考えたくない気持ちの表れだったと思う。
 
食事も最低限作る日々。
それでも子どもたちが何かと手伝ってくれていた。
 
これではいけない、と思うものの
イマイチ気力もわかず、身体が動いてくれなかった。

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数日経った頃、夜中にふと気配を感じて目を覚ました。
 
誰かが私の手をそっと握っている。
暗闇に目を凝らすと次男が隣に座っていた。
パパちゃんの遺影を見ながら、ポロポロと涙をこぼしていた。
 
『だいじょうぶ?』と声をかけると、ハッと気づいた様子で
にっこり笑って私を見ていた。
 
『うん』と答えると
私の頭を優しくなでなでして『ムリしなくていいからね』
 
ビックリすると同時に、嬉しくもあり、胸がいっぱいになった。
 
『うん。ごめんね。ありがと』と答えるのが精いっぱいだった。
 
それからそおっと手を離すと2階へ戻っていった。
 
 
 
パパちゃんが笑ってみていた。
『なんかい、あの子の方がしっかりしとるぞ』
そう言われているようで
 
そうだね
あの子たちだってキツいはずなのに
 
それでもいたわってくれる優しさ
本当にいつの間にか大人になってるね
 
 
ありがとう
頑張らなきゃね
 
 
優しい子どもたちが
私に力をくれた
 
 
あんなに小さかったあの子の手が
とてもとても
大きく感じられた

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