癌と共に~フーテンのパパちゃん~

大好きな父が癌になりました。クジラを見に行く日を夢見て。

胃がん~再発 肺転移~

分からない

順調だと思っていたのに

なぜ どうして

 

再発の無慈悲な告知

説明のない抗がん剤治療

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-2019年 7月1日-

6月25日に受診をした際に

外来から、腫瘍内科というところへ

廻された。

 

特段、外科の先生から説明もなく。

 

病院は別棟にがんセンターを併設していた。

 

予約をして訪れたのだが

とにかく、待たされた。

 

ようやく呼ばれ、入っていくと

腫瘍内科の担当です、と男性医師が挨拶された。

 

そこで「転移してますから、どうします?」と

突然言われた。

 

は?え?なんの話???

私もパパちゃんも話が呑み込めず、止まってしまった。

 

「だからね、肺へ転移してますから。言われなかった?外科で」

首を振ると

「ふーん」と言った後

今の病状も、治療内容も何も説明もなく

「で、どうします?」

 

私は混乱していた。

 

どういうことなのだろう。

この間まで「順調」としか言われておらず

突然のこの展開についていけない。

 

抗がん剤治療、しますか、しませんか」

淡々と言う医者。

パパちゃんがよくわからないまま

「きついんでしょう」と聞くと

「そりゃ抗がん剤治療ですからね、副作用はもちろんありますよ」

 

それに対して

「きついのはイヤだなぁ・・・」とぼそりと言っただけで

「じゃ、治療しない選択で」

 

慌てた私が

「いえいえ、治療はしま・・」と言いかけるのをさえぎる様に

「本人の意思が一番ですから」と医者が

ぴしゃりと言い放った。

 

この時はとにかく混乱していて

何がどうなっているのか、わからず焦っていた。

 

まずは体の異変を再確認し、どういった状態で再発してるのかを

確認するのが最優先だった。

 

だが【再発】という言葉が呑み込めないまま、

【治療しない】という選択権しか与えられず

とにかくマズイとしか考えていなかった。

 

パパちゃんは、良くわかっていなかったと思う。

というか、それを分かるように説明するのが、医者ではないのか。

 

面倒くさそうに、終わらせようとしている医者。

慌ててパパちゃんに

「ほら、(普段心臓をみてもらっている)

主治医の先生にも相談して、

治療して頑張ろうね、て話してたじゃないね」

とパパになんとか「治療します」という

言葉を言わせるのに必死だった。

 

ようやくパパちゃんも

「うん、それなら、も少し頑張ろうかな」

 

それに対して無言で書類を準備する先生に

「治療しないと、どうなるんでしょうか」と

先生に小声で恐る恐る聞くと

「余命ですか、わかりませんよ」と一言。

 

ぶん殴りたいのを抑えながら

「それはわかっています。人それぞれでしょうから。

全く治療をしない場合の、あくまで目安です」

と聞くと、なんと父を見ながら

「あー、1年でしょ」

 

もうショックと怒りで頭が真っ白になった。

 

こんなもんなのか

医者は、病院は

癌を患い、高齢者であれば

本人を目の前に

こんなひどい言葉をあっさりと投げつけるのか。

 

何より、説明が一切ない。

どうしても理解ができない。

 

15時の予約だったのを、さんざん待たされた挙句

16時半過ぎに呼ばれ

「今日は遅いから採血無理だね。来週また来て」

 

だが妙なことに

治療の投薬内容だけは、先に決まった。

高齢なこと、また胃を全摘出したことによる

体力低下を考えて

一番副作用の少ない『TS-1』という服薬で

抗がん剤治療をするという。

 

同意書をその場で書かされた。

 

納得していないのに、書いてしまう私たちがおかしい。

 

でも書かなくては、治療してもらえないという

焦りがあり、書いてしまった。

 

待ちくたびれて疲れてしまったパパちゃんと

家に戻る間、何を話したのか覚えていない。

 

 

このすべての始まりが

間違いの始まりだった。