癌と共に~フーテンのパパちゃん~

大好きな父が癌になりました。クジラを見に行く日を夢見て。

胃がん~孫の卒業~

パパちゃんの腕の中に

抱かれていた赤ん坊が

少しづつ大人になっていく。

 

もう少し

もう少しだけ

みていて

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-2020年 如月-

心臓の方は順調で

夜も眠れるようになったパパちゃん。

 

『元気になったら釣りに行く』と

家の周りを歩いたりと

パパちゃんなりに頑張っていた。

 

でも

疲れがなかなか取れず

体力と体重は低下するばかり。

 

それでも家では相変わらず

ニコニコのパパちゃんで

ご飯も良く食べていた。

 

抗がん剤治療もイヤイヤだったが

通院の際に次女が迎えにきてくれること、

またお昼を食べに

あちこちに行くことを楽しみに、

なんとか続けていた。

 

 

そんな中、通信制高校に行っていた

長男も無事卒業式を迎えられた。

 

まだコロナ騒動の前だったため

卒業式にも参加ができた。

 

基本私服OKの学校のため、

卒業式はスーツ着用。

 

お正月に見立てたスーツ姿がまぶしい。

 

選ぶ際、今後の万が一を考えて

黒のスーツでセットアップした。

 

でも今日は晴れ姿。

明るめのシャツとネクタイで

髪型は次男がスタイリングしてくれた。

 

玄関先までパパちゃんも来て

家族写真を撮ってくれた。

 

パパちゃんも撮ろう、と言ったが

パジャマだからヤダといって

撮らせてくれなかった。

 

 

色々あった中学、高校時代。

不登校になり、苦しむ姿をパパちゃんも側で見てきた。

 

その長男の笑顔と晴れ姿に

「良かったな。本当にお前もがんばったよ」と

 

それだけでじゅうぶんだった。

 

 

長男が生まれるとき、パパちゃんも

立ち合い出産のメンバーの一人だった。

 

主人、義母、次女、パパちゃん

なんと全員が立ち合った。

 

主人はオロオロするばかり(まぁ、仕方ない)

義母からは『見苦しいから声を上げるな』

と言われ(ありえんやろ)

心配性の次女は泣くし(私が泣きたい)

パパちゃんはあまりに側に居ても・・・と

いう遠慮もあったのか

離-れた奥の壁から、星飛雄馬の姉明子のように

これまた心配そうに見ていた。

 

陣痛でもうろうとしながらも

「大丈夫、だいじょうぶなんで」

と周りに言いながらの、長男誕生。

 

めっちゃ気ぃ使った

 

今では良い思い出だけどね(笑)

 

長男はなぜかパパちゃんにそっくりで

「生まれました☆」の

写真付きはがきを見た親戚が

こぞって『おっちゃんや!!!』とウケていた。

 

度々、パパちゃんは様子を見に来てくれた。

 

パパちゃんはいつも穏やかで、変わらない。

 

相手が誰であっても。

 

なので

子どもと動物にやたら好かれる(n*´ω`*n)

 

長男も、次男も

パパちゃんに抱かれていると

大人しくてゴキゲン♬

 

たまに一緒に夕飯を食べて

パパちゃんに見てもらってる間に

ゆっくりお風呂に入らせてもらうこともあった。

 

おしゃべりな長男をみて

「お前にそっくりだ」と

いつも笑っていた。

 

公園や動物園に行ったり

コスモスを見に行ったり

大型ショッピングモールへ買い物に行ったり

子ども連れで大変な所は

いつもパパちゃんが一緒に来てくれた。

 

子ども達が保育園の時は

先生から頼まれて

七夕の笹も持ってきてくれた

 

年末は餅つきも

他の園児の分も一緒にしてくれた

 

運動会も

部活動の試合も見に来てくれた

 

これから

成人式も

結婚式も

見てほしい姿が

たくさん

たくさんあった

 

なぜあの時

スーツ姿の長男とパパちゃんのツーショットを

撮らなかったのだろうと

悔やまれてならない

 

 

だいぶ後になって届いた

長男の卒業文集には

彼なりのいろんな思いが

びっしりと詰まっていた。

 

「見せてあげれば、よかった。

そしたら、安心できたよね」

と残念そうに長男がつぶやいた。

 

だいじょうぶ

 

気持ちはきっと伝わっているよ