突きつけられた現実
落ち込む前に
悲しむ前に
パパちゃんにとって
一番ベストな道を考えるんだ
-2020年 3月25日-
姉が再予約をしてくれた病院へ向かう。
マスクをはめ、行く先々で消毒をしながら移動した。
採血とCTを撮り、12時半の診察予定のところ
呼ばれたのは14時半近くだった。
最初先生からは
「じゃ、薬出しますから。次の診察は2週間後で」
と言われた。
あれ?なんか話が違うくない???
恐る恐る、
「あの、なんか前回の受診の時に
『検査の数値が悪いから家族と来て』
と言われたようなんですが」
すると怪訝そうな顔をした後
画面で数値を確認し
「あっこれもか」とそこで
初めてCTの画面を確認していた。
「あ、そうでした。もう薬効かないですね。
ではもう治療はできない、ということで
緩和ケア外来の説明を、後で担当からしますから」
ある程度覚悟はしていたつもりだった。
もともと心臓も悪く
また胃がんからの肺転移。
完治は無理だ。
薬で抑える事くらいしかできないことも。
でも
でも
おかしくないか。
「でも先生、最初にお薬出す、って言われましたよね。
まだ何か他の方法で治療できる、っていう
可能性はないんでしょうか」
すると一気に不機嫌モード。
「あのですね、肺にもいくつも他に影が見えてるんですよ。
それに腫瘍マーカーの数値がもう下がらない。
効かないってことです。もうしても意味ないでしょ」
本当にこんな医者がいる。現実に。
変に期待を抱かせるのも良くないが
ここまで患者の心を無視した対応をする医者を
私は知らない。
「・・・では最初お薬を、と言われたのは
先生が検査の数値が悪い事を忘れていたからですね。
そして今こちらから言われて初めてCTを確認して
他にも影があるのを確認された。
だからこれ以上の治療はしても意味がないと。
そういうことですか」
思考が沸点状態だった私は
失礼承知で申し上げた。
「そうですよ」
見下げるような顔で
精一杯にふんぞり返った医者に言われ
もうここには用無しと思った。
「緩和ケアのお話は、別の方からしていただけるんですね」
「はぁ、そうです」
「それならいいです。では」
こちらを見ようともしない医者にお礼を言う筋合いもない。
パパちゃんの車いすを押しながら
部屋を出た。
この時は薬が効かない、治療ができないショックより
思いやりの欠片もない医者の対応の怒りで
頭がいっぱいだった。
一方、いつもと変わらず
きょとんとした表情のパパちゃん。
どこまで分かっているのか
分かっているうえで
あえて冷静なのか
私には、分からなかった。
W台風に備えて。
ご飯だけでなくパスタやパンもあるのは嬉しい。
セットものは初めて頼みました😊