コロナの危険がはらむ中
何を優先すべきなのか
混乱が広がる
-2020年 卯月-
義父の兄妹、叔母の訃報が届いた。
肺癌で入院中とは、聞いていた。
ご主人と息子さんご家族と住んでおられたが
コロナのため面会も一切できず、
側にいられる家族も限定されていた。
在宅での医療を検討し始めた矢先の急変だったらしい。
他人事では、なかった。
「私たちも何度も行ったのよ。でも病院側が会わせてくれなかった。
義兄さん(ご主人)や子どもじゃないとダメだって!」
と義母はお怒りモードだった。
それは当たり前だろう。
コロナが懸念される今、容易に許可していたら
患者の命が危険にさらされる。
でもそういうところが、わからない。
一番近しい家族だけで過ごさせてあげようとは思わないのか。
だが、やはりご家族も
もっと一緒に過ごしたかっただろう。
ご主人や息子さんたちを思うと苦しかった。
コロナのこともあり、葬儀には主人だけ参列してもらうことにした。
後々聞くと、仮通夜から本通夜、葬儀まで
兄弟姉妹親族全員勢ぞろいで
狭い部屋で密集していたらしい。
聞いていて怖くなった。
全員もれなくご高齢だ。
何かあったらどうするのだろう。
でも臨機応変がきかない人たちだ。
形式通りにするのに、周りもこだわったらしい。
私たち家族は
以前から家族葬で、とは話していた。
だが恐らくもめるだろう事が大いに予想できた。
考えたくもないが
無計画なわけにはいかない。
なぜなら義実家がいるから
私の葬儀プランの模索が始まった。
そして叔母には
規制解除後、お線香を手向けに行った。
絵ろうそくをお供えした。
灯したときに
残されたご家族の心が
少しでも癒されますようにとの願いを込めて
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