昔から心臓は悪かった
だから「癌」にはならない
バカな思い込み
-2018年 5月-
仕事から帰ろうとする私に
長男から電話が。
「お母さん、じいちゃんの様子が変だよ。
早く帰ってきて」
すでに車に乗っていた私は猛スピードで自宅へ。
すると部屋にうずくまる父と真っ黒な絨毯。
隣には、下血と汚物まみれの床を
一生懸命片付けている長男の姿が。
下血していた父に長男が気づき
お風呂場できれいに洗ってから、着替えさせてくれていた。
「早く病院行って!あとは俺が片付ける」
子どもに心底感謝した。
この時まだ私たちは下血してると気づいていなかった。
車で連れて行こうと手を握ると
ギョッとするほど手が冷たい。
貧血も起こしていた。
ひとまず近くで心臓も長年診てもらっている
かかりつけの先生の元へ。
先生は父の容態をざっと診て、血中の酸素濃度を測ると
「下血だね。極度の貧血。原因は分からない。
かなり良くないから、即救急外来の病院行って」
え?え?心臓じゃないの?
あわててきたので、何も持ってきていない。
せめて保険証を取りに戻ります、というと
「じゃ救急車家に手配するから」
本当に本当におかしな話だが
我が家はド田舎に住んでいて
救急車なんて来ようものなら
あらゆる人が詰めかけてくる地域だ。
その中には100%義両親がいる。
絶対無理。
「すみません、先生救急車は呼ばないで」
先生も状況が分かるらしく
「分かった。その代わり5分で家出て。病院側には伝えておく」
いつもはのんびりしていて
ゆ~っく~りしか動かない、話さない先生なのだが
猛スピードで動き
看護師さんに指示を出していた。
だからこの先生は頼れる。
いざって時別人になるのだ。
この先生に、何度も助けていただいた。
父を車にのせたまま
とにかく保険証とお薬手帳と薬とパジャマと眼鏡だけ
つかんで病院へ捕まらないギリの速度で走った。
途中信号待ちの時に姉たちにラインをうつ。
「パパ 下血
緊急で今からSびょういんへむかう」
「意識ははっきりしてる
でも先生曰く重度の貧血
下血の原因分からない」
「これるひと
印鑑持ってきて
輸血もせなん」
そう、私は肝心の印鑑を忘れていた・・・
お姉ちゃん、来て-(´;ω;`)