癌と共に~フーテンのパパちゃん~

大好きな父が癌になりました。クジラを見に行く日を夢見て🌈

在宅看護~おでかけ~

気分転換も大事

 

姉と一緒に過ごせることも

楽しみな時間

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-2020年 4月下旬-

退院してからパパちゃんが

どうしても行きたいとこリストに

床屋があった。

 

パパちゃんは

ほとんどつるつるだ。

昔から。

出家してると言っても通じるほど

つるっつるだ。

 

でも身だしなみには

人一倍気を使う。

 

お出かけの時には

ハードムースを欠かさない(笑)

 

私は

パパちゃんの無精ひげや

パジャマ姿でゴロゴロしてる所を

見たことがなかった。

 

お風呂も大好きで

入らないことがないくらい。

 

熱があっても入っちゃう。

 

 

そんなパパちゃんが、変わってしまった。

 

抗がん剤の治療を始めてから、

寝たり起きたりになり

布団も引きっぱなしになってしまった。

 

パジャマも着替えることも、なくなった。

 

きついのだ。

 

そして今年になり

抗がん剤治療も効かなくなった頃から

お風呂も毎日入りたがらなくなった。

 

ひげをのばしていても

気にしなくなった。

 

病院でも診察の時

歩くことすら辛そうで

自分から車いすを希望した。

 

今までのパパちゃんなら、まずありえない・・・

 

 

段々と体のしんどさに

負けていっていた

 

それでも

髪を切りに行きたいと言い出し

嬉しかった。

 

私は一緒に生活しているから

いつもパパちゃんと居られる。

 

でも姉たちは違う。

 

側に居たいだろう。

顔をみて、話しをしたいだろう。

 

髪切りに行くのを

姉の休みに合わせて、一緒に行かないかと誘った。

 

とても喜んで飛んできてくれた。

 

姉が運転し、5分の髪切りに40分かけて行った(笑)

 

お馴染みの美容室なので、パパちゃんの体の事も知っている。

1~2か月に1回、会いに行くのを楽しみにしてくれている。

 

きれいにしてもらい、

「さっぱりした♪」と嬉しそうだ。

 

 

せっかくのお出かけなので

ドライブがてら、

パパちゃんの大好きな貝汁を食べに行くことにした。

 

このコロナの時世、お出かけなんてもってのほかだろう。

 

分かっている。

体力のないパパちゃんにとって、危険なことも重々承知している。

 

でも、喜ぶ顔が見たかった。

姉と思い出の時間も、大切だった。

 

混んでいる街中は避け

市街地の外れまで車を飛ばした。

 

お店の入り口に車を停め、私だけパパちゃんと降り

空いている席に座った。

 

大好きな貝汁の定食をオーダー。

 

美味しい、美味しいと

喜んで食べてくれた。

 

 

その後はかなりくたびれたのだろう。

帰ってからぐったりとしていた。

 

その日は姉と姉の子どもも一緒に

にぎやかな夕食だった。