癌と共に~フーテンのパパちゃん~

大好きな父が癌になりました。クジラを見に行く日を夢見て🌈

胃がんからの家族葬~空に昇る~

フーテンのパパちゃん

 

風に乗って

 

自由の旅へ

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~火葬場にて~

火葬場へ到着した時に、あっと思い出すことが。

 

出棺前に献花や祭壇で使ったお花を、花束にしてもらっていた。

あとで親戚へ配るため、家に届けてもらうよう話していたのだが

従兄の家だけが離れていて、火葬場からの帰り道にあたる。

 

しまった。

持ってきていない。

 

私の慌てた様子に気づいた葬儀社のスタッフが

「どうかしましたか?」と。

斎場からここまではかなり離れている。

にも関わらず、事情を話すと「すぐ戻りますから!」と飛んで帰ってくださった。

 

ごめんなさいぃ―( TДT)

 

火葬場の玄関では別の女性スタッフが待機してくれていた。

霊柩車の後に続いていた主人と次女の車も到着し、パパちゃんを乗せた柩を先頭にみんなで中に入る。

 

火葬炉ごとに小さなお部屋がある。

そこへ安置し最期の読経を上げた。

そして火葬炉へ

 

 

母の時を、思い出していた。

あまりにも急だった母の死は、遠く暮らしていた私には夢のようで。

対面してもお通夜をしても葬儀をしても実感がなく

現実味を帯びたのがなんと火葬場に来てからだった。

『だめ、焼いたらだめ』と炉に入れる時に周りを困らせてしまった。

 

そして動揺する私と終始泣き崩れる次女の横で

長女が一人静かにスイッチを押した。

 

今考えれば、なんと残酷なことをさせたのだろうと思う。

 

火葬場のスタッフの方から

「それでは点火のスイッチを押していただきます。喪主様、またご家族さまご一緒にでも構いません。」

長女は泣きながら懸命に首を振っていた。

ママちゃんの時には姉一人に任せてしまった。

なのでパパちゃんの時は、私と次女でスイッチの前に立った。

 

それなのに何も知らない主人が

「ほら、ほら姉ちゃんも!」とぐいぐい背中を押す。

 

やめろ

何も知らないくせに

 

「お姉ちゃんはいい」

そういって二人でスイッチを押した。

 

 

 

この日は雲一つない、快晴だった。

 

昇っていくパパちゃんを見ようと煙突を探したが、ない💦

係員さんに聞くと環境面の配慮から、もう煙突はないとのこと。

地下に通したパイプへ流れていくのだそう。

 

わ-なんだか寂しいわ-(;´・ω・)

 

 

5月の半ば。まだあちこちで鯉のぼりがたなびいている。

 

風になり自由になったパパちゃんを

お見送りしてね

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