癌と共に~フーテンのパパちゃん~

大好きな父が癌になりました。クジラを見に行く日を夢見て🌈

胃がんからの家族葬~いかつい骨骨ロック~

 

ほんとカルシウムはね、大事。

 

f:id:hikaru-ko:20201213162627j:plain

~火葬場にて 続き~

パパちゃんが空へと昇りつつある間、私たち家族は控室で待つ。

2時間くらいと、聞いていた。

 

私たちと一緒に、パパちゃんの遺影も席に着く。

虚無感でいっぱいになってくる。

 

そんな時、長男がいたわるように長女と次女を抱きしめていた。

 

嬉しかった。

 

小さい時から、とてもとても優しい子。

何かあっても自分がガマン、というタイプ。

いつもニコニコしているので、何も考えてない楽天家と思われがちだが、

その実とても人を観察している。

 

本当にきつい時、苦しい時には、

いつもすっと寄り添ってくれる子だ。

 

長女と次女がもういっぱいいっぱいになっているのが、分かったのだろう。

よしよし、と優しく背中をトントンしていた。

 

パパちゃんは彼の優しすぎる性格を心配もしていたが、

私から見ればパパちゃんそっくりだと思う。

 

今日はスーツを着て、一段と大人に見える。

 

パパちゃんも、少しは安心してくれるだろうか。

 

f:id:hikaru-ko:20201213211900j:plain

 

斎場のスタッフが1人ついてくださっていて、

私たちにお茶やコーヒー、子ども達にはジュース、他にもお菓子を出したり

パパちゃんにもお供えを別に用意したりと、甲斐甲斐しく世話をして下さった。

 

細かく気を配られる方で、こちらが恐縮してしまうほど。

贈答用の和菓子の詰め合わせまで用意してあるのにはびっくりした。

 

さすがに少し気が抜けて、みんなぼお-っとしていた。

 

混雑しあう待合室の中で、次女に声をかけてくる方がいた。

なんと子どもの学校のママ友だった。

しばらくして今度は主人にお声がかかる。

こちらは会社の知人の方。

こんな偶然もあるのだなぁ~

 

そんなこんなで1時間半ほどたった頃、館内放送でお呼びがかかり、先ほどの小部屋へ再度集まった。

 

お骨になったパパちゃん。

 

いや、ゴツイな( ゚Д゚)

 

小柄で40kgしかなかったので、正直ちんまりとしたイメージだったのだが

最期は理科室に置いてある標本くんにも負けないほど、がっしりして登場。

f:id:hikaru-ko:20201215062551j:plain

 

「すげー」

 

みんな思わず言葉に出た。

 

いや、もう本当にしっかりしてるのよ。

 

キレイに全形が残っているというか。

 

ママちゃんの時は、骨粗しょう症もあってスカスカだった(ごめん)

 

骨壺に入れるのも気を使うほど、もろかった。

 

パパちゃんは「どうや」と言わんばかりにデデン!としている。

 

あまりの立派さに笑いが出た。

 

 

そういや、エビやカニなど甲殻類が大好きだったパパちゃん。

エビなどは、殻ごと焼いたり煮たりしたものを、よくそのままバリバリ食べていた。

 

さすがだ。

 

悲しさいっぱい、という雰囲気から

「パパちゃん、スゴイねー!」というなんだか明るいモードになった。

 

 

係員の人から説明を受けて、私と長女でお骨を拾い、骨壺へと納めていく。

この一緒にすることを『箸渡し』という。

これから渡る三途の川を無事に渡ってほしいという、『橋渡し』の願いもこもっているのだとか。

 

一巡した後は、各々で収骨をしてもらう。

 

この骨壺も、地域で大きさが違う。

パパちゃんのは一部収骨の6寸タイプ。

東日本は全部収骨の7寸が多いのだそう。

 

それでもけっこう大きい骨壺に、足元の方からなるだけキレイなものを入れていく。

 

足、大腿骨、腰骨、胸骨。

骨がしっかりし過ぎて、入れるのも一苦労(笑)

「どやっ」と言わんばかりに各パーツが太くてむちゃむちゃ堅い。

隙間を埋めてたくさん入れたいのだが、崩れてくれない。

「えい、えい」と姉たちと頑張るのだが、びくともしない。

 

パパちゃんの頑固さが感じられ、なんだかおかしくなる。

仕方ないので、細かいお骨で埋めていく。

 

途中、心臓に入れたステントや、歯に詰めた銀歯などが出てきた。

 

感慨深くなり、ついつい一緒に納めてしまったが、後々別にしておけばよかったと思った。(もし後で散骨などの手続きをする方は、入れないほうが無難です。不純物とみなされ除去されますが、業者によっては有料とするところもあります)

 

 

骨壺いっぱいにパパちゃんを戻し、最後に喉仏をそおっと置く。

 

 

桐箱に入れてもらい、渡されたパパちゃんを抱きかかえる。

 

とても、とても重く感じられた。