癌と共に~フーテンのパパちゃん~

大好きな父が癌になりました。クジラを見に行く日を夢見て🌈

胃がんからの家族葬~パパちゃん、おうちに帰る~

お疲れさま

 

くたびれたね

 

さぁ、帰ろう

f:id:hikaru-ko:20201216103229j:plain

~火葬後 精進揚げ~

葬儀社の男性スタッフが、親戚へ配る花束を持って戻ってきてくださった。

 

お手数かけました💦

当初は葬儀プランであまりいい感じではない人だったが、

すっかりいい人へランクアップしていた。

 

www.hikaru-ko.xyz

少々寄り道をするため、時間を合わせて自宅でまた落ち合う約束をして、葬儀社のスタッフとは一旦お別れ。

 

そこから一路、従兄の家を目指した。

 

ちょうど皆お仕事に出ていたが、小学生の娘さんが出てきてくれた。

まぁこの女の子が小学生とは思えないほど、しっかりした子で落ち着いている。

一番小さい子の世話も上手で、とても気が付くしすごく優しい。

もう娘のお手本みたい❤

 

ピアノが上手で、パパちゃんが演奏会に喜んで聞きに行ったことも。

孫に女の子がいないのもあって、可愛くて仕方がないようだった。

 

パパちゃんの最期、またお通夜の時は小さい子がいるため気を使ってお留守番をしてくれていた。

 

だから、会わせてあげたかった。

 

桐の箱に居るパパちゃんと遺影の写真を持って

お花を渡した。

 

心臓で入院した時も、リハビリの時も、会いに来てくれてたね。

 

ありがとう。

パパちゃん、嬉しかったよ。

 

 

そこから帰り道に、和食のレストランに頼んでおいたお弁当を取りに寄った。

 

そこは病院で「もう抗がん剤治療はしません」と言われた帰りにパパちゃんと寄ったレストラン。

大好きな貝汁目当てで行ったけれどなくって

カニ入りの味噌汁を美味しそうに食べてたなぁ

 

そんなことをぼーっと考えながら、家に着いた。

 

f:id:hikaru-ko:20200903103040j:plain

 

既に葬儀社の方が来ていて、お部屋に後飾り祭壇を作ってもらう。

銀色の段ボールをテキパキと組み立てていく。

乗り切れないほどのお供え物をセット。

 

 

四十九日まではここがパパちゃんの居場所となる。

f:id:hikaru-ko:20201216111050j:plain

たくさんのお花に囲まれてパパちゃんが笑っていた。

 

 

お帰り、パパちゃん。

 

 

葬儀に関するガイドブックや

引き出物、挨拶状やら一式を受け取り

「いつでもご相談ください。今日はゆっくり休まれてくださいね」と言って帰って行かれた。

 

この方は、葬儀の後ひと月した頃だろうか。

パパちゃんへお花を届けに来てくださった。

本当に嬉しかった。

葬儀代にしても後日女性の担当者へ連絡を入れたが、

「いつでもいいですよー」と慌てることもなく、引き続き四十九日の引き出物や初盆などずっと相談に乗っていただいた。

 

ここの葬儀社にして、本当に良かったとつくづく思う。

親身になって良くしていただいた。

私の時にもぜひともお願いしたい✨

 

 

 

だけれどまだ仕事が残っている💧

 

無事戻ってきた報告をしないと、義実家は納得しない。

形だけでも葬儀を遠慮してもらった事へお礼を言わないと。

 

もう正直どうでもよいが、主人の手前さすがに無視するわけにもいかず。

 

葬儀社に作ってもらった花束を手土産?に義実家へ。

お花は気をそらすための必須アイテムだ。

疲れていて可哀そうだったが、姉たちにも同行をお願いした。

もちろんいい気はしない。

「私たちは、謝らないからね。後ろに立ってるだけでいいなら」と

それでも一緒に来てくれた。すまん。

 

一つは私だけなら呼び込まれて延々と恨み節を聞かされる可能性を避けるため。

 

「お父さんを亡くしたばかり」なんて配慮は彼らにはない。

 

なので子どもたちも全員、姉たちも連れて義実家へGO。

 

超ウルトラ不機嫌な義母と義父。

それでもお花を見ると喜んだ。

 

ちょろい。

 

ここら辺では葬儀の後、献花を参列者が自由に持って帰ってよい。

それは別にいいと思うのだが、そのお花の取り方が

ものすごくえげつない。

 

バーゲンに群がる人のごとく、押し合いへしあい

我先にとお花を引っこ抜いていく。

その様はとても葬儀後のものではない。

 

通常もうご遺族は火葬場へと向かっているので居ないことがほとんどだが

それでもあの状況は私にはすごく不快だった。

 

斎場スタッフがまとめてくれるところもあるのだが、

「いい、いい。自分たちでするから」と乱暴に引っこ抜いていく人たちがほとんど。

 

毎回、なんだろな-と呆れてしまう。

 

そんなこんなで

葬儀後のお花を渡せば喜ぶことも計算のうちだった。

 

『あらあら大変だったわねー』という義父母に

「おかげさまで無事葬儀を終えることが出来ました。すみません、色々お気遣い頂いてありがとうございました。」

 

大人だからね

それくらいは言うよ

 

『本当にね-私たちもお別れしたかったわ-』と嫌味ったらしい義母の言葉はスルーして「お義兄さん達は?」と聞くと2階にいるらしいが降りてもこない。

仕方がないので階下からお礼の言葉をかけるとあ゛―の返事。

 

そうか、そうか。いいよ、私は構わんよ。

 

自分がしでかした不祥事の数々は棚上げし

「長兄」という権限だけ振りかざす人など、こちらから願い下げだ。

 

ちゃちゃっと手短に挨拶を済ませ、義父の本家へ。

 

叔父夫婦も葬儀に呼んでもらえなかったことで、義実家に文句があったと聞いている。

だが『すみません、子どもだけで静かに送りたかったので』というと

叔父夫婦は『うんうん、みんなで見送れたならお父さん喜んでるよ。コロナのこともあったからね』と優しく言って頂いた。

あれ?聞いてた話と違うんだけど。

 

お花を渡すと

『わーごめんねぇ、気を使ってもらって』とこちらは大人の対応。

 

これが当たり前だと思うのだが。

 

みんなはそこで家に戻ってもらい、私だけでご近所を廻った。

出棺前に自宅に来ていただいた方達へお礼とお花を持って。

皆さん喜んでくれたので、良かった。

 

なんだかんだで帰ってきたのが夕方5時過ぎ。

 

「ミッション完了!!!」

 

 

買ってきたお弁当をひろげ

「お疲れさまでした!」と精進揚げにした。

 

いやもう本当に疲れました・・・

 

みんなほぼ無言で食べてたもんねぇ。

 

 

隣の部屋から

「お前は本当にようやるよ」

いつものパパちゃんの声が聞こえてきそうだった。