癌と共に~フーテンのパパちゃん~

大好きな父が癌になりました。クジラを見に行く日を夢見て。

体力の衰え~桜の木の下で~

満開の桜を見上げて

 

一緒に見れることを

当たり前だとおもっていた

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-2019年 4月-

我が家から少し離れたところに

公園がある

 

アスレチックの遊具が豊富で

子どもが小さい時はよく行っていた。

 

駐車場横の広場が、アスレチックの遊具とテニスコート

階段を上ると芝生の広場

更に階段を上るともう一面芝生の広場

 

桜の木がどの階にも植えられていて

それは美しい。

 

また垣根がツツジで作られているので

桜の後は一面ツツジが咲き誇る。

 

家族の中では「ツツジ公園」と呼んでいたが

まだ幼かった子どもたちは

舌が回らず「ヒツジこうえん」

と呼んでいた。

 

 

ちょうど一年前の春

久々にのんびりしたいのと

隣接する建物で

土曜だけ地元のおばあちゃん主婦が

作っているバイキング料理があると聞き

父と二人で出かけた。

 

料理はお煮しめや一文字のぐるぐる

唐揚げもあり、なすの田楽や野菜の天ぷら

ぜんざい等もあり

美味しくてほっこりするバイキングだった。

 

父が大好きな料理が多く

あれこれ選ぶと、喜んで全部完食していた。

 

 

私は父と二人で出かけることが多い。

恐らく主人とよりも断然多い(笑)

 

食べ物の好みが似ていることと

また決して文句を言わずニコニコしているので

一緒にいて楽しいから。

 

おばあちゃん料理で満腹になったため

腹ごなしもかねて散歩していくことにした。

 

 

暖かい春の日で

家族連れがたくさんいた。

 

父の手を引き、階段を上ると

「休憩」ともう言ってきた。

 

「まだ一段目だよ」というと

「いや、ちょっと、休ませて」

 

桜の木の下のベンチで

ポカポカ日向ぼっこをし

 

一番上まで休み休み上った。

 

桜の花が満開で

途中二人で写真を撮った。

 

帰り道、階段を下りる足元が危なっかしく

腕をとりながら一緒に降りた。

 

 

もっとゆっくり回ればよかった

 

もっとたくさん写真を撮ればよかった

 

 

今日病院へ向かう父は

車庫まで歩いていくのがやっとだった

 

病院までの道路で

散り始めた桜を見ながら

去年一緒に行ったツツジ公園を

思い出していた

 

 

もうあの階段は昇れないだろう

 

まさかこんなに弱ってしまうなんて

思いもしなかった