セカンドオピニオンを受けて
初めて見えてきた真実
怒りと悔しさと、後悔
-2020年 4月8日-
大学病院でのセカンドオピニオン当日。
途中で次女と合流し、病院へ向かった。
コロナがじわじわと脅威を増す中
不特定多数の人が密集する病院は怖かった。
私だけ受付をし、呼ばれるまで
パパちゃんと次女は病院の外で待っててもらうことに。
ここで思いがけず
病院で受付をしてもらったのが
長男の学校のママ友だった。
何かと相談にも乗ってくれ、信頼のできる人。
おまけに美人(*ノωノ)
病院勤務とは聞いていたが、まさかここだとは。
おかげで少し気持ちが明るくなった。
しばらくして受付から担当医の診察室の方へ呼ばれた。
さすがに階がちがうので、パパちゃんと一緒に移動。
人が多い-
こわいよ-
パパちゃんはマスクもつけ
車いすにおとなしく座っていた。
ここで30分ほど待っていただろうか。
呼ばれて入っていくと
白衣の先生と、助手?らしき若い先生の二人組。
とても優しい先生だった。
ここへは緊急入院から、胃の全摘手術、
その後の腹膜炎やら心臓の僧帽弁接合不全修復術まで
カルテやCTの画像等のデータが送られてきているはず。
電話で私と話した先生より、
さらに詳しく病状を確認してもらえているはずだ。
「このTS-1という薬の選択は間違いではないですが、オキサリプラチンという注射と2種類併用して治療する事が多いものです。
単独での使用で、しかも薬を1日40ミリに減らした時点で効果はあまりないと言えるでしょう。
また通常は、間隔をおかず継続して治療をするためのものです。
休み休みの投与は、意味がありません。
血液検査の経過をみても、
また肺にも複数箇所の転移が増えている状況で
この薬での治療の継続は効果を得られないでしょう。
ただ別の治療方法(薬)がないわけではないですが、
癌を小さくしたり、治す訳ではありません」
また話す中で信じられない事実が。
「胃がんの全摘術の際、すでに転移してますね」
・・・・え?
なんと???
手術の時にすでに転移していた?
聞いていて頭が真っ白になった。
隣を見ると次女の顔が青ざめていた。
「そんなこと、聞いてないよね・・・」
一応次女にも確認した。
「聞いてない!絶対聞いてない!!!」
次女が悲鳴のような声で答えた。
外科医からの術後経過の診療の際、重ねて聞いたのだ。
あまりに確認するので、医者がイライラしていたのまで覚えている。
『転移はない』とハッキリ言った上に
『そもそも転移してたら手術なんてしませんよ』
とまで言い放ったのだ。
それなのに
それなのに
どうしよもない怒りとショックがこみあげてくる
隣では「ん?」といつものパパちゃん。
たぶんよくわかっていない。
その穏やかな様子が、よけい、悲しかった
そして鬼の形相で先生に詰め寄る次女。
「どうして?転移がないって言いました!
だからしばらく抗がん剤治療はせず様子見ましょうって言ったのに!!!」
当たり前だが激高していた。
感情表現が豊かな次女は
悲しいも嬉しいも頭にくるも
ドストレートに表現する。
正直羨ましくもある。
が、この先生に言ったところで・・・という思いと
おそらく医者同士は病院が違えど、かばいあうだろう。
言った言わないを始めても、もう過去のことだ
-もう、パパちゃんには時間がないー
今、最優先にすべきこと
パパちゃんにとって何が一番今ベストな選択なのか
それを考えなくては
次女が怒りを表現してくれたことで
私の中で気持ちが落ち着けた部分もあった。
次女をなだめながら、先生に他にもいろいろ質問をした。
一つ一つ、丁寧に説明をしてくださった。
1時間、みっちりと。
胃の全摘出術の際、胃壁の外、リンパ節まで転移していたこと
先日のCTで、胸膜や横隔膜へも転移していること
パクリタキセルやオプジーボ、ロンサーフ等、別の治療もできなくはない
だが体力面を総合すると、難しいところだと
説明を聞きながら、大変に申し訳ないことに
大学病院というところは、やはり投薬や治験に
重点を置いているような感が私にはあった。
単なる勝手な憶測だが
先生からの説明を聞きながら
もうこれ以上の抗がん剤治療は無理だと、思った。
パパちゃんの体力だけでなく
気力まで失ってしまうだろう
また大きな病院ほど
このコロナの非常時を考えると
危険度のほうが増してしまう。
薬で苦しむよりも
「今」をパパちゃんらしく生きてもらいたい
緩和ケアへいこう
パパちゃん、ごめん