癌と共に~フーテンのパパちゃん~

大好きな父が癌になりました。クジラを見に行く日を夢見て🌈

胃がんからの在宅医療~最期のぬくもり~

忘れないよ

 

笑顔も

優しさも

温もりも

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どうにかこうにか打ち合わせも終わってから

パパちゃんの身体を守るため、ドライアイスを設置することになった。

 

お天気の良い春の日だったので、斎場に入る前に自宅でと、早めにお願いをしていた。

 

担当者の方が

「背中の方へ、手を入れてみてください。まだ故人様の温もりが感じられますので」

と言われ、驚いた。

もうだいぶ時間は経っている。

でもそうっと背中の方へ手を入れると、温かさが伝わってきた。

 

パパちゃんの、最後のぬくもりだ

 

次女も、子どもたちも、それぞれに確かめながら

涙が止まらなかった。

 

あの時の感触は、きっとずっと忘れられない

 

それほどパパちゃんを感じられるものだった

 

 

真っ白なお布団を上からかける。

重い布団はきらいだったものね。

 

「一応、持ってきました」と言われた装束セットの中に

経帷子(白装束)と手に付ける手甲、足に着ける脚絆、そして三角頭巾があった。

(う~ら~め~し~や~と幽霊がよくつけてるやつ)

天冠(てんかん)とも言うらしい。

実際これ付ける人いるのだろうか・・・(;・∀・)

 

死装束にも、それぞれ意味がある。

閻魔大王様の前に出る時の正装だとか。

今は《エンディング(エピローグ)ドレス》なるものもある(゚д゚)

 いや、すごいね(;'∀')

 

でも自分でお気に入りの服を着たいというのは分かる。

この先それを着て向こうへ旅していくのだから。

 

いつも釣りに来ていた服を身に着けたパパちゃんは

今にも起き出しそうだ。

温かさを感じていると、「もしかしたら・・・」と勘違いしそうになるくらい

優しい穏やかなパパちゃんが横になっている。

 

長女だけがまだ戻って来ておらず、やきもきした。

かと言って運転中であろう、電話もできず。

 

諦めかけてドライアイスをセットしていたその時、

長女が帰ってきた!

 

セーフ。

 

長女もパパちゃんの温かさを感じながら

「お父さーん・・・」と

『起きてよ』と言わんばかりにつぶやいていた。

 

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