「もう一度元気になりたいなぁ」
「普通に歩きたいなぁ」
私につかまるほっそりとした腕
-2020年 皐月-
緩和ケアの外来受診の時に
やはりきつさが取れないため
輸血をしてみよう、ということになった。
手術や緊急時でなくても
輸血ってできるんだ
ちょっと驚きだった。
胃を全摘出してからは
貧血気味だったパパちゃん。
食事も全くとれない訳ではないが
ずっとだるくてしんどそう。
癌に限らず病状の進行に伴って体力が消耗されていく
【悪疫質】という状態が続いていた。
身体に送られるべき栄養を癌細胞が吸収してしまい
結果、体力や筋力が維持できず
栄養も足りなくなり、体重も減少していく。
まだこの頃は退院時より体重が増えたりしていたので
そこまで悪化してると思っていなかった。
でも夜になると眠れず
毎晩きついきついとうなるパパちゃん。
隣で寝ていたので
そのたびに「きついよね、しんどいよね」
と言いながら、肩や背中をずっとさすっていた。
どうしていいのかわからず
それしかできない自分が歯がゆい。
でも不思議としばらくすると
「ん、だいぶ良くなった」と言うので
毎回(・・❔と思っていた。
後で知ったのだが
体をさすったりマッサージをすることで
《オキシトシン》が分泌されるそうだ。
今は《ハッピーホルモン》とも言われてるらしい。
親しい人と触れ合ったりすることで
脳内に分泌されるホルモン。
幸福感を感じるだけでなく
ストレスや痛み、不安や恐怖心の減少、
認知症の緩和やダイエットにも効果あり。
すげーな、オキシトシン。
ケアとしてもちゃんと意味があり、
分泌されると2~3時間は効果が継続するとのこと。
良かった
痛みが和らいでいたのも、気のせいじゃなかったんだ
良くある方法には”ハグ”や”握手””マッサージ”があるらしいが
このコロナ禍の中はちょっと考えてしまう💦
でもこのオキシトシン
相手を思う行動や電話でも出てくれる!
素晴らしいぞ✨
入院中、長女が電話を掛けたり
次女が病院の駐車場から窓越しに手を振ったり
そんなたくさんの優しさの詰まったオキシトシンで
パパちゃんは日々を頑張りぬいていた。