眠ることは意外にエネルギーを使う
赤ちゃんは寝てばかりだが
お年寄りは眠れない
こんなに眠ったのはいつぶりだろう
~逝去後 皐月~
私はずっとパパちゃんが居た和室にこもっていた。
いつもはリビングで大音量でビデオを見る主人も
2階にいることがほとんどだったので助かった。
静かな時間
来客が来た時以外はひたすら眠って過ごした。
それはもう一日中
普段はお昼寝してしまうと、夜眠れない(-_-;)
なので自分でもびっくりするほど
泥沼のように日々を眠って過ごした。
考えたらここ数か月まともに眠っていなかった気がする。
張り詰めたものが切れた反動と
体力の限界
そして何も考えたくない気持ちの表れだったと思う。
食事も最低限作る日々。
それでも子どもたちが何かと手伝ってくれていた。
これではいけない、と思うものの
イマイチ気力もわかず、身体が動いてくれなかった。
数日経った頃、夜中にふと気配を感じて目を覚ました。
誰かが私の手をそっと握っている。
暗闇に目を凝らすと次男が隣に座っていた。
パパちゃんの遺影を見ながら、ポロポロと涙をこぼしていた。
『だいじょうぶ?』と声をかけると、ハッと気づいた様子で
にっこり笑って私を見ていた。
『うん』と答えると
私の頭を優しくなでなでして『ムリしなくていいからね』
ビックリすると同時に、嬉しくもあり、胸がいっぱいになった。
『うん。ごめんね。ありがと』と答えるのが精いっぱいだった。
それからそおっと手を離すと2階へ戻っていった。
パパちゃんが笑ってみていた。
『なんかい、あの子の方がしっかりしとるぞ』
そう言われているようで
そうだね
あの子たちだってキツいはずなのに
それでもいたわってくれる優しさ
本当にいつの間にか大人になってるね
ありがとう
頑張らなきゃね
優しい子どもたちが
私に力をくれた
あんなに小さかったあの子の手が
とてもとても
大きく感じられた