癌と共に~フーテンのパパちゃん~

大好きな父が癌になりました。クジラを見に行く日を夢見て🌈

胃がんからの旅立ち~虚無と目覚め~

眠ることは意外にエネルギーを使う

 

赤ちゃんは寝てばかりだが

お年寄りは眠れない

 

こんなに眠ったのはいつぶりだろう

f:id:hikaru-ko:20201223161751j:plain

~逝去後 皐月~
私はずっとパパちゃんが居た和室にこもっていた。
 
いつもはリビングで大音量でビデオを見る主人も
2階にいることがほとんどだったので助かった。
 
静かな時間
 
 
来客が来た時以外はひたすら眠って過ごした。
それはもう一日中
 
普段はお昼寝してしまうと、夜眠れない(-_-;)
 
なので自分でもびっくりするほど
泥沼のように日々を眠って過ごした。
 
 
考えたらここ数か月まともに眠っていなかった気がする。
 
 
張り詰めたものが切れた反動と
体力の限界
そして何も考えたくない気持ちの表れだったと思う。
 
食事も最低限作る日々。
それでも子どもたちが何かと手伝ってくれていた。
 
これではいけない、と思うものの
イマイチ気力もわかず、身体が動いてくれなかった。

f:id:hikaru-ko:20201223162716j:plain

数日経った頃、夜中にふと気配を感じて目を覚ました。
 
誰かが私の手をそっと握っている。
暗闇に目を凝らすと次男が隣に座っていた。
パパちゃんの遺影を見ながら、ポロポロと涙をこぼしていた。
 
『だいじょうぶ?』と声をかけると、ハッと気づいた様子で
にっこり笑って私を見ていた。
 
『うん』と答えると
私の頭を優しくなでなでして『ムリしなくていいからね』
 
ビックリすると同時に、嬉しくもあり、胸がいっぱいになった。
 
『うん。ごめんね。ありがと』と答えるのが精いっぱいだった。
 
それからそおっと手を離すと2階へ戻っていった。
 
 
 
パパちゃんが笑ってみていた。
『なんかい、あの子の方がしっかりしとるぞ』
そう言われているようで
 
そうだね
あの子たちだってキツいはずなのに
 
それでもいたわってくれる優しさ
本当にいつの間にか大人になってるね
 
 
ありがとう
頑張らなきゃね
 
 
優しい子どもたちが
私に力をくれた
 
 
あんなに小さかったあの子の手が
とてもとても
大きく感じられた

f:id:hikaru-ko:20201223163914j:plain