癌と共に~フーテンのパパちゃん~

大好きな父が癌になりました。クジラを見に行く日を夢見て🌈

胃がんからの家族葬~心にしみる朝ごはん~

ありがとう

おかげで家族でゆっくり過ごすことができた

 

ここにして良かったと

改めて思う

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~葬儀の朝~

 

義実家からの物言いですったもんだしてるさ中ではあったけれど

嬉しい朝ごはんが届いていた。

 

7時頃だろうか、勝手口からそっと台所へ準備がしてあった。

 

《朝ごはんは、ご飯とお味噌汁、お漬物くらいですがサービスです》

事前の説明の時に聞いていた。

近くにコンビニはあるものの、何かと忙しいため大変助かった。

 

見ると炊き立てのご飯がおひつに入れてあり、漬物が数種類と、手作りのお味噌汁がついていた。

パパちゃんへもお盆に乗せて、持参した漬物もたくさんつけてお供え。

シンプルなお膳だが、炊き立てのご飯とお味噌汁と漬物はパパちゃんが一番喜ぶごちそうだ。

これをお別れのお膳《おとき》とした。

 

パパちゃんが喜んでいるのが見えるようだった

 

この味噌汁がとってもおいしくて、みんなホッコリしながら頂き、子どもたちもお替りして食べていた。

 

おそらく人数も多く男の子ばかりなので、たくさん用意してくださっていたのだと思う。

 

後で女性の担当者に朝ごはんのお礼を伝えると

『良かったです!実は知り合いが毎回作ってくれているんです』とのこと。

聞けば、葬儀で泊まられる家族の方が皆、コンビニのおにぎりやインスタントの味噌汁で朝ごはんを済ませていられるのを見て、せめて朝ごはんくらいはゆっくり食べてもらいたいと始められたのだとか。

 

小さな気づきかもしれないが、葬儀で大変な中温かさを感じる、大きな癒しだった。

 

 

パパちゃん、美味しかったね。

しっかり食べた?

そろそろ出発だよ

 

 

胃がんからの家族葬~家族の在り方~

肉親でも心の距離の遠い人

他人でも心の距離が近い人

 

相手を想う心

 

辛い時こそ相手の本音が分かる

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~葬儀の日~

夜中過ぎ、仮眠から長女が起きてきた。

 

「少しあんた達も休みなさい」

その言葉に、次女と続いて私も横になった。

 

そして

爆睡

・・・・・

 

 

ハッと気づけばもう完全に朝。

やばい(;'∀')

準備しなくては💦

 

「誰も起きんし」

真面目な長女は、一人お線香の番をしていた(;'∀')

ごめんね-( TДT)

 

そんな中、ずっとロビーで電話をしていた主人に呼ばれた。

「昨日から、(義実家と)ずっと話してるもん」

「うん」

「正直言う。向こう(義実家)すごく怒ってるもんね」

「うん」

「・・・。まぁ、あんたたちの気持ちもわからんでもないよ

でも、亡くなったお父さんは○○(主人)家の人間なんだからそこは考えてくれないと」

 

フリーズ。

なんと?

パパちゃんが義実家の家の人間とな?

 

頭で反芻する。

 

考えろ、私。

 

黙り込む私をのぞき込む主人。

 

...いやわからんて💢

 

 

何処をどうやってそんな思考にいきつくのか。

あまりの事態にショートしかけたぞ。

 

「いやいや、それおかしいでしょ⁉なんでパパちゃんが○○(主人)家の人間になるの」

「だってそうじゃん。俺のうちに住んでんだから」

「いやあのね。私は結婚したからそうだろうけど。パパちゃんはパパちゃん、違うでしょう。あくまでお姉ちゃんや私たち△△(パパちゃん)家だからね」

 

でもこれには主人は納得せず。

「いや、それはあんたたちの言い分であって、でもそうじゃないから。」

 

「ちょっと何言ってるか分からないんだけど」

こんな場面なのに、真顔でサンドイッチマンの富沢さんが出てきちゃうくらい、意味不明。

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あんまり頭にきた私はカードを切った。

 

「ずっと黙ってたけど、お義兄さんの借金、即時払いしてくれたのはパパちゃんだったよね⁉

最後は返金してくれたけど、でもあの時パパちゃんがなけなしのお金をすぐに用意してくれたから、助かったんじゃないの?それも義両親には黙っといて、って内緒で。

だからうちは家も建てられたんだよ。

それなのに、義兄からも義姉からも、お礼も謝りも一言もない。

そんなこんなは知らん顔して、こんな時ばっかり家族とか。ありえない」

(※我が家が家を建てるローンの際に引っ掛かり、原因は義兄でした)

すると

「いや、もうそれはいいじゃんと主人。

 

・・・・・

 

そして葬儀まで時間がないこともあり、主人からは畳みかけるように

「もういいから、時間ないから聞いて。

昨日から、俺なりにずっと話はしたんだよ。

みんな(義実家)すごいショック受けてる。家族なのにどうして、って」

 

・・・・・・

 

 

「結果から言うと、葬儀も来ないし、火葬場も、来ない。すごい怒ってるけど。

ってか叔父さん達も納得してない

だって家族じゃない。

でも俺なりに話はしたから。あんたや姉ちゃん達、こっちの気持ちもわかってくれ、って。

ただお父さんはあくまで○○(主人)家の人間だからね、親父や兄貴たちが言うのも当たり前なんだよ」

 

まだいうか(-"-)

 

 

とにかくもう時間がないこともあり、その場を収めるためにわざと

「すみません。ありがとうございます」と深々と頭を下げた。

 

向こうの言い分は全然理解できないけどね

 

そして姉たちへ今の話を報告しに行った。

「へぇ」

そして笑いながら

「ごめん。まったくもって意味がワカランわ」

 

同感なりよ。

 

「ま、来ないで良かった」

 

それな。

 

後から思ったが、そこまで「ワレワレハカゾクダ」と言い張るのならば

葬儀費用も○○(主人)家で負担するのが筋ではないか。

そこは「等分で」と言い、でも立場だけは主張する。

もう、理解不能としか言えない。

 

 

今回主人にとっては究極の選択だったに違いない。

だが私たちの態度。子どもたちの態度。

自分が受け入れられていないことも感じていたはず。

 

きっと意味がわからないだろう

 

同居もしてあげて、一緒に暮らしてあげて

自宅での看取りまで許してあげた。

『感謝』されて当たり前のはずなのに、と。

 

そこに関しては本当に感謝している。

 

問題は義実家との関わりだということ。

 

これまでのパパちゃんに対する無視やいやがらせなどの冷遇の数々。

ずっと知らんふり。

というか何も感じていないのだろう。

 

 

パパちゃんはひたすら耐えていた。

私のために

 

黙って何も言わず

私の立場が悪くならないようにと、必死だった

 

 

主人の目には、何も映っていなかった

 

 

 

だがパパちゃんは親だ。

主人にとっても。義実家にとっても。

決して下に見られるべき存在ではない。

 

だが『○○(主人)家の人間』発言で、義実家にとってのパパちゃんの立場を改めて思い知った。

私も、パパちゃんも

義実家にとっては『家族』という縛りの中で位置づけられた最下位だということ

 

それなのに

「家族だから」という言葉を連呼する

 

どこが?家族?

笑わせんな


 

そして主人は昨日からの私たちの態度や会話を聞いて追い詰められたのだろう。

ここで義実家の意見を通せば、恐らくこの先自分の居場所はないと。

 

主人が考えたことは

「私たちの気持ちに寄り添う」ことではなく

悲しいかな

「自分の居場所を守るためにどっちにもいい顔をする」

ことだった。

 

 

いやもう私は負の感情でまくりで

特級呪霊になりそうだった

 

 

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 昨夜「アニメ、見てる~?」と電話をかけたら

『しゃけ』という答えが返ってきた(笑)

 

胃がんからの家族葬~ありのままで生きる~

安心してね

 

私たちだけだからね

 

もう気を使わなくていいんだよ

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長い、長い夜

 

静かにパパちゃんと過ごすひと時

 

誰にも邪魔されず、家族だけで過ごせる至福の時

 

 

たくさんの想い出を振り返りながら

姉たちが居てくれて本当に良かったと心から思った。

 

私一人では、耐えられなかっただろう

 

パパちゃんの病気

心配や不安

義実家や主人への苛立ちや葛藤

 

きっと心が折れていた

 

私と姉たちは父親が違う

ママちゃんが姉たちを連れ、子連れで再婚したのがパパちゃんだ。

 

それを知ったのは高校生の時だったが

「あーだからお姉ちゃんたちは美人なんだなぁ」とヘンな納得をして、終わった。

 

なんだろう

違和感も特になく

「それが当たり前」と自然に思えた。

 

今はステップファミリ-、というのかな。

いろんなカタチの家族がある。

 

それでいいと思う。

 

姉たちのことをよく心配していたパパちゃん。

身体が弱い長女の事

生活面で何かと大変な次女の事

 

「大丈夫だろうか」いつもいつも言っていた。

 

「俺はなにもしてやれんから」

ぽつりぽつりと呟くパパちゃんだったが

そんなパパちゃんが私たちを家族にしてくれた。

 

私に自慢のお姉ちゃんたちをつくってくれた

 

パパちゃんがいて

ママちゃんがいて

お姉ちゃんたちがいて

 

あの日々は決して楽しい事ばかりではなく

辛いことも多かったけれど

 

それでも

ハチャメチャとしか言いようのない日々だったが

私は幸せだった

 

 

 

パパちゃんはあまり自分のことを上手に話せる人ではなく

うまく立ち回ることも、自分を作ることも苦手。

だからよく誤解もされやすい。

 

そのかわり、真っすぐな人だった。

 

相手が誰であろうと、大切にする

 

それが他人であろうと

子どもであろうと

動物であろうと

 

考えてみればスゴイ人だった

 

 

そして人のことを決して悪く言わない

 

私がさんざん愚痴をこぼしても

「うん、うん」と真剣に聞いてくれる

でもそれに便乗して相手のことを悪く言うことは決してなかった

 

どうしてそんな風になれるのか不思議だった

 

生きてる時からすでに仏さまだったのか✨

 

 

パパちゃん自身が自由人だったので

人に対して強いることも苦手なパパちゃんは

いつも「ありのまま」で生きてきた

 

苦手な人、苦手な場面からは、すぅ-っとフェイドアウトしていくような(笑)

 

そんなパパちゃんは現代では生きづらく

会社勤めなどは到底無理だった💧

 

それでも個人での営業は性に合っていて

とてもとても楽しそうに仕事をしていた。

 

好きな仕事をして

子供以上に可愛がっていたワンコとニャンコとのびのび暮らしていたころが

パパちゃんにとって幸福の絶頂期だったと思う

 

 

晩年、私や孫たちとも暮らせるようになり

食事や病気、生活面での心配は少なくなり、独りぼっちではなくなった。

でも

監視され、制約されるような日々は

相当なストレスだったろう

 

私がその中で生きていることも

それを「当たり前」として心を無にして日々を過ごすことも

「お前はエライなぁ」と言いながら

「でもやっぱり」

「前みたいな元気なお前を俺は見たいよ」

そう言った言葉が忘れられない。

 

お正月

お盆

いろんな集まり

いろんな場面で

義実家の中で

一人誰ともしゃべらず

ただ黙って座り続ける私を

パパちゃんはどんな思いで見ていただろうか

 

私と一緒に毎日を我慢してきた姿を見てきたからこそ

 

 

最後の最期だけは

安心して

自由に

なんの心配もなく

旅立ってほしい

 

私が望むのはそれだけだった

 

胃がんからの家族葬~願い~

笑顔の中に

 

光の中に

 

いつもいた人

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11時を過ぎ、子どもたちも疲れていたのだろう、寝息を立てはじめ

私たち姉妹で替わりばんこにお線香の番をすることに。

 

身体の弱い長女には先に休んでもらった。

倒れられては困る(;^ω^)

 

お線香が途絶えないように気を配りながら

それでもこうしているのがまだ信じられなかった。

 

お通夜なんだよな

パパちゃんの

 

親だから先に逝くのは当然の理なんだけれど

なぜだろう

パパちゃんは特別のような気がしていた。

 

どこもそうなのかもしれないけれど

 

 

ママちゃんとの別れは心筋梗塞

あまりにあっけない最期で誰も間に合わなかった。

せめてパパちゃんの時は側に居たいと思い、葬儀のあとすぐに仕事を辞めて地元に戻ってきた。

 

パパちゃんと一緒に暮らしたのは5年間。

二人とワンコとニャンコと楽しい日々。

 

仕事もプライベートも忙しい私は家のことなどそっちのけで。

 

友達も多く、先輩や後輩たちとも

遊び、騒ぎ、飲み、相談し、悩みを聞き、泣いて、笑って

慌ただしい毎日を送っていた。

 

ご飯はいつもパパちゃんが作ってくれていた。

それでも怒られることもなく、いつもニコニコ。

 

 

それなのに

 

甘えてばかりで

ワガママばかりで

怒ってばかりで

 

 

もっと優しくしてあげればよかった

もっと美味しいものを作ってあげればよかった

もっといろんな所に連れて行ってあげればよかった

 

もっと

もっと

 

眠るパパちゃんの顔を見ながら

タイムマシーンがほしいと、本気で思った

 

私の命をあげてもいいからさ

5年でも10年でも

も1回だけ

目を開けてくれないかなぁ

 

お願いだから

 

ありがとうと言わせてよ

 

 

胃がんからの家族葬~譲れぬ思い~

さわらないで

私たちのパパちゃんに

 

初めて願う強い思い

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騒動しまくった義実家ご一同様がようやく帰り、入れ替わりに主人の上司が来てくださった。

 

聞けばご自身もお母さまを亡くされて間もないそう。

「他人事と思えなくて」と言葉を詰まらせる姿に胸が熱くなった。

 

誠実さが感じられる、立派な方だった。

 

 

そして最後、従兄親子が来てくれた。

 

とてもとても嬉しかった。

 

従兄は家が遠い中、何度もパパちゃんに会いに来てくれた。

 

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 パパちゃんが危篤の晩も、とんで来てくれた。

 

もう話すことが出来なくなっていたので、ゴールデンウイーク中に会っておいてくれて

本当に良かった。

 

パパちゃんを心配し、大事に思ってくれる。

見栄や裏表もなく、真っすぐな気持ちで付き合える、かけがえのない人たち。

 

そして県外に出てからずっと会えなかった従兄の一番下の男の子が来てくれた。

もう20年ぶりくらいになるだろうか。

 

小さい頃近所の畑でネギを引っこ抜いていた男の子が立派なパパに。

とってもイケメンになっていた。

 

ありがとうね

パパちゃん、目を真ん丸にして喜んでるよ。

 

 

ざっと事情を説明して、明日の葬儀は私達だけで行うことを伝えると

残念そうだったがすぐに納得してくれた。

「おっちゃんを、よろしく頼むね」

 

優しく言ってくださる従兄親子に、ただただ頭が下がる思いだった。

 

この時、葬儀への不参加を快諾してくれたパパちゃんの親族の人たちには

また別の場を設けようと、思った。

 

 

弔問客も一段落したところでお経をあげ、それからみんなでお弁当を頂いた。

 

これまでだと、おにぎりかサンドイッチ、煮しめに漬物のオードブルが定番で

お弁当は初めてだった。

精進料理なのでまったく期待していなかったが、美味しくてビックリした。

子ども達も「これ美味しい!」と喜んで、まぁ全員キレイに完食した✨

 

 

そして交代に風呂に入りながら、お布団を広げる。

お風呂はバスタブもあり、ゆっくりできた。

 

そして次男がギター、姉の子どもが電子ピアノをそれぞれ弾く。

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パパちゃんが音楽が大好きだから。

とってもにぎやかなお通夜(笑)

喜んで、起き出してくれないだろうか

 

葬儀社の方も途中で帰られ、私達だけになった。

ドライアイスがなくなってしまうので、あまり開けないように』

と言われていたが、次女とついつい開けてしまう。

 

だってもう最期なんだもん

 

眠ったようなパパちゃんの頬を替わりばんこナデナデしながら

今日の義父母の話が出た。

 

あまりに傍若無人な態度に、姉たちもキレかかっていた。

パパちゃんの事や、私たちのことなどは一切考えていない。

自分本位な考え方と押し付けに心底ウンザリだった。

 

第一、火葬場へ呼ばれてもいないのに行くという神経がワカラナイ。

遠慮と言う言葉を知らないのだろう。

 

 

ずっと見てきた子ども達からも

「なんね、あれ。じいちゃんかわいそすぎだろ」

「お母さんたちのお父さんなんだから。最期は、お母さんたちの好きにしなよ」

と言ってくれた。

 

主人は一番端っこで、早々と寝ていた。

眠っていたのか。

私たちの話は聞こえていたと思う。

でもピクリとも動かなかった。

 

 

姉たちへ、私は自分の思いと、これまでのパパちゃんへの仕打ちも話した。 

もう、聞こえてもいいと思っていた。

 

私たちの父だ。

親だ。

赤の他人に、なんの遠慮がいるものか。

 

これで何と思われようと、構わなかった。

 

そしてこれまでの主人の態度に

私も姉たちも子どもたちも

みんな腹をたてていた。

 

 

明日の葬儀がどうなるのか

そして火葬場へ来たのならば、当たり前のようにお骨を拾う気だろう。

 

 

それだけは絶対に許さない

パパちゃんに触れてほしくない

 

 

これだけは何があろうと譲れない

結婚してから初めて思う強い気持ちだった。

 

 

明日の出方次第で

パパちゃんの一周忌が離婚宣告日になるかもな

 

本気で考えていた

 

胃がんからの家族葬~お通夜にて~

みんなで一緒に泊まるのは、いつぶりだろうね

 

ほら起きて

みんな来てるよ

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斎場へ入ってからしばらくしてから、私が事前相談した女性の担当者が出社してこられた。

 

すぐにお部屋に来られ、「お話してたけど、こんなに早くなるとは・・・」と頭を下げられた。

「色々相談させてもらっていたので、スムーズに葬儀の手配が出来ました」と

感謝を述べた。

 

おそらく50代くらいだろうか、柔らかい雰囲気の優しい方で、安心してなんでも相談できた。女性ならではの目線で細かい事にも気が付かれるし、何よりこちらの気持ちを尊重してくださるので有難かった。

 

この方とは、それからも返礼品の手配等で何度もお世話になった。

 

 

寝具も交代で起きるので全員分はいらないことと、弔問客が一段落してから食事をとることを伝えた。アメニティも足りない分をすぐに持ってきてくれた。

 

もうすぐ夕方になる。

コロナ禍でご遠慮いただいていることや周知していないこともあるが、義父母はじめお通夜に来られる人もいるだろう。

 

『受付をどうしようか』となり、次女のパートナーと長男にお願したところ、快く引き受けてくれた。

 

長男もこれから社会に出ていく場面がふえていくだろう。

いろんな経験をさせておきたかった。

 

そうは言ってもほんの数人だったので、あえて受付を作らず、控室の中でしても良かったかなぁと後からおもった。

時間が決まっていないので、あてどなく立って待ち続けることに・・・

 

そんな中先陣切ってやってきたのはお約束の義父母&叔父夫婦。

ここは兄弟なのだが、ビミョーに仲が悪い。

叔父夫婦はパパちゃんと親しくしていたのでたまにお邪魔していたが、それをよく思わない義父から「じーさんは行く必要はない」と言われ、数年前から会いに行くこともできなくなっていた。

 

お通夜の席だというのに、漂うギスギス感(-_-;)

 

辛い

 

私と一緒にお相手している姉も、居心地が悪く絶望的な顔をしている。

 

ふだんけん制しあう義母と叔母。しばらく無言の後に、とうとうご近所の噂話をおっぱじめた。

するか?通夜の席だぞ💢

 

いやもう帰ってくれ

 

そこへ長女の勤め先の院長先生が来てくださった。

 

まさに地獄に仏

 

姉が涙する。

ほっとする雰囲気が一気に広がる。

 

あああ

きっとパパちゃんがハラハラしながら見ているだろうな・・・

 

 

いつもだと『どちら様かしら~?』と図々しく割り込んできて

相手のことを根掘り葉掘り聞いてマウンティングしたがる義母も

院長先生とわかっているので、じろっと見ただけで黙っていた。

 

すると今度は義兄夫婦登場。

 

私が記憶する限り、義兄からいたわりの言葉をかけられたのは姉の前でだけ。

とにかく女好き、姉たちの前では超絶いい人になるダメ男。

義兄が奥さんに内緒で作った借金のため、我が家がピンチに陥ったこともある。

その窮地を救ったのは、他ならないパパちゃんだった。

 

でもお礼も一言もなにもなく、ずっと知らん顔だった。

 

人として、謝ることもできないのに

「兄」という存在感だけは振りかざしたがる。

 

もうパパちゃんに謝るラストチャンスぞ。

そう思うが全く意に介せず。ひたすら姉たちのゴキゲン伺い。

 

詫びろ詫びろ詫びろ詫びろ-!!!

 

今なら言うのに(笑)

 

もう、相手したくなかった。

 

やっと帰る、その時に

「明日、出棺に行くから車手配して」

 

(゚д゚)!?

 

(゚д゚)!?

 

いやいやいやいや

出棺に来る?正気か⁉

 

パパちゃんのお骨を拾う気なのか

 

どこまで馬鹿にするんだろう

 

いやそもそも呼んでないんだけど

 

もう怒りが沸点にきていた

 

すぐさま飛んでいき、それでも抑えて

「申し訳ないけど明日の葬儀は子どもだけで行います」と

「来るんじゃねぇ」を言葉を替えて伝えた。

 

これがワカラナイ(´;ω;`)ウゥゥ

 

「はぁ?おれ仕事休み取ってんだけど」

知らねえよ💢

 

「見ての通り会場も狭いので、葬儀は子どもだけでします。なので火葬場も私達だけで行きます。すみません」

 

すると私とは話にならないと思ったらしく主人のとこへ。

義父母、義兄夫婦、主人で玄関でもめていた。

 

まぁこうなるのは予測していた。

 

義実家の行動パターンはもう把握している。

あとは主人がどう出るか。

 

通夜の席だというのに、玄関ホールで声高に言い張る義父母たち。

私たちは一切無視した。

 

 

《葬儀は私達だけでやろうぜ作戦》は姉たちも子どもも了承していた。

(ハッキリ言わなくても子どもも嫌がらせは感じていた)

 

なので私たちの親戚にも、ざっと事情を伝え明日の葬儀にはご遠慮してほしい事をお願いしていた。

主人側の縁者を呼ばずに、こちらの親戚だけ呼ぼうもんなら、納得はされまい。

 

コロナということもあったが、一番近い従兄は残念そうだった。

それでも「分かった・・・それじゃあ、お願いします」と言ってくれた。

 

 

すぐに理解し、気持ちを分かってくれる私たちの身内と違い

ただ世間体のみに固執する義実家の理解は、到底得られそうもなかった。

 

胃がんからの家族葬~葬儀費用~

人生最期のセレモニー

お金をかければいいってもんじゃない

 

その人らしく

もっと自由に

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事前に葬儀費用については調べていた。

 

家族葬とはいえ参列者が少ないだけで、かかる費用は一般葬と変わらない。 

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華美な祭壇等はあまり必要とは思わなかったが、最期棺はたくさんのお花で埋め尽くしてあげたかった。

 

献花の時に確認すると、このお花だけでも充分だとの事。

良かった。

 

またパパちゃんは「菊」などお葬式定番のお花は好きでない(;´・ω・)

なので祭壇も菊ではないお花でお願いしていたら、ちゃんとトルコ桔梗やユリで飾ってくれていた。

 

ワガママ言ってすみません(;^ω^)

 

かかる葬儀の費用は、見積もり時点で30万ほどだった。

献花の手配とドライアイス、布団、通夜弁当の追加。

プラス会葬礼状と会葬返礼品を50ほどお願いし、最終的には38万ほどだった。

 

格安だったと思う。

 

親戚からのご香典も少しあると考慮し、また後々続く法事の際の食事や初盆等を考えて、おそらく40万くらいは必要になる計算だ。

 

パパちゃんは遺産などない。かろうじて年金はもらっていたがほぼ病院代。遺産はあってもネジかタッパーか箱くらい(笑)

もともとアテにもしていなかったし、借金さえなくしてくれていれば御の字だった。

それは事前に清算していたので、後々困ることもなかった。

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姉たちと相談し、長女、次女は10万づつ、私が20万だす、ということで落ち着いた。

するとちょうどのタイミングでコロナ給付金が💰

 

パパちゃん宛にも給付されたので、パパちゃんも自分で(?)葬儀代を工面することができた。

 

自分の時は子どもに心配をかけないように、ちゃんと準備しておこう(;・∀・)

 

事前にいくつも斎場を廻る中で、これ以上お安いところも、またサービスが整っているところもなかった。

突然のことで慌てていると、どうしても事業者はあれもこれもと不要なサービスを上乗せしてくる。そうならないためにもある程度の準備は必要に思う。

 

私の時はもう一つの別館の洋風タイプでぜひともお願いしたい。

長女はすでに申し込みまでしている(笑)

 

そんなこんなで、どうにか葬儀の手配は滞りなく進んでいたのだが

葬儀社からの費用の説明の時に、急に主人が介入してきた。

 

いやまぁ身内なのだから当たり前っちゃ当たり前なんだけども

 

これまでパパちゃんの病気にも、ほとんどノータッチで知らん顔だった人だ。

 

気にするのは、入院の時の入院代くらい。

 

介護関連には詳しいと自負する割には、介護保険認定やベッドの手配も分からない。

 

身体がだんだんと動けなくなり、部屋でズボンをはこうとして転倒した時も

「座ってしないからだよ。分かってないな」と心ない言葉。

 

私がパパちゃんにばかり構うのが面白くなかったのだと思う。

また、どうしてよいのかわからなかったのだろう。

 

でもパパちゃんが最期の時間を過ごす中、主人からの優しさや思いやりを感じられることは正直なかった。

そして義父母のいじめにも近い嫌がらせを何とも思わないことが理解できなかった。

 

でも世帯主はあくまで主人。

喪主も(世間体で)したかったのだろう

 

私が葬儀社も内容も手続きもすべて決めていたことに驚き、また相談のないことに腹を立てていたからか、葬儀社からの見積もりを取り上げ一つ一つチェックし始めた。

 

ワカランだろうよ💢

 

結婚するまですべてを親に管理してもらい、結婚してからは私に丸投げの主人は責任感がなく、世法にうとい。わからない、知らないことが多すぎる。

 

なのでいつからか頼ることを一切やめた。

 

パパちゃんの葬儀にいたっては、こどもである私と姉たちが主体ですべきこと。

そこへズカズカと介入してほしくなかった。

 

それも足を組み、見てもわからない見積書を「ふーん」と言いながらふんぞり返っている姿。葬儀社の人たちへの態度がとにかく悪い。

恥ずかしかった。

 

葬儀社の人たちがコチラをちらちら見ながら戸惑っている。

そうだろう。

ごめんなさいね💦

 

姉たちが席を外した時に

「葬式の費用ってどうすんの」と聞いてきた。

 

そこでは「姉妹で等分に分けるよ」と言った。

「ふーん、まぁそれが当たり前だけど」

 

なんだろう、とにかくムカムカしてきた(-"-)

 

葬儀費用のチェックはおそらく義父母の差し金だ。

100%間違いない。いくらかかるのか、確認しないはずがない。

 

頭にきたが

「葬儀費用抑えるために、ホールを借りずに控室だけにしたから」と言うとご満悦な様子。

 

それならば、計画始動させて頂きます。

 

「控室だけでそんなに人も入らないから、明日の葬儀は私達だけでして、そのまま火葬場に行きます。

明日は私達だけでします(2度言いました)

コロナだから

 

「あぁ、分かった」

案の定、何もわかっていない主人は軽い返事。

 

言いましたね?了承しましたね?

 

この後もめることは間違いないが、気づいちゃいない。

 

さぁ、どうする???

 

 

 

パパちゃんが危篤になったあの晩から

私や姉、子どもたちまで

主人に笑いかけ、話しかけることは、一切なかった